歯周病が8020運動の達成の鍵を握る？

 

口腔の2大疾患である「虫歯」と「歯周病」では、どうしても前者に注目が集まりがちです。虫歯は目に見える形で歯が溶けて、ジンジンとした痛みも生じることから、歯周病よりも深刻な病気と思われている方がほとんどなのではないでしょう。

もちろん、虫歯は一刻も早く治療すべき病気ですが、実際は歯周病の方がある意味で厄介といえます。国や歯科医師会が推進している「8020（ハチマルニーマル）運動」の達成も歯周病が鍵を握るといっても間違いではないのです。今回はそんな歯周病と8020運動の関係について、春日市の田中歯科医院がわかりやすく解説します。

▼8020運動とは？

8020運動は、「80歳になっても20本以上の歯を残せるように口腔ケアを頑張りましょう」という国と歯科医師会が掲げたスローガンです。数年前にようやく達成率が50％に到達して少し話題となりました。

◎なぜ20本？

私たちの歯は親知らずを除くと全部で28本あり、そのうちの20本が残っていればほとんどの食べ物をそしゃくできると言われています。80歳になっても好きなものを好きなだけ食べられることは、何にも代えがたい幸せになりますよね。そんな豊かな人生を送るためにも8020運動の達成に尽力したいものです。

▼歯周病は日本人が歯を失う原因第1位

8020運動の達成の障壁となるのは、「歯を失うこと」です。具体的には、日本人が歯を失う原因第1位である歯周病が最大の障壁となります。歯周病は、重症化すると顎の骨が破壊されて、歯を支えきれなくなります。その結果、歯が自然に脱落したり、抜歯を余儀なくされたりするのです。一方、虫歯はある程度、進行したとしても詰め物・被せ物治療や根管治療などで歯を保存することが可能であり、その機能は維持できます。つまり、80歳になっても20本以上の歯を残したいのであれば、まずは歯周病予防に努めることが何よりも重要といえるのです。

▼まとめ

今回は、歯周病と8020運動の関係について、春日市の田中歯科医院が解説しました。日本人の寿命は年々、伸びる傾向にありますが、お口の中が不健康だと楽しい時間を過ごすことが難しくなります。とくに歯の本数は、人生の質そのものに深く関係することから、歯周病や虫歯をしっかり予防して、80歳になっても何でも噛める健康な口内環境を作れるよう頑張りましょう。